肌寒い季節になると、食べたくなるのが鍋や煮込み料理など温かい和食。
和食で欠かせない調味料といえば、何といっても「醤油」でしょう。
薄口、濃口、さらにこだわりを見せると玉子かけご飯専用の醤油など、種類はさまざまですか、日本の味を表現するのに不可欠なものです。
そんな醤油において、変わり種の商品が世に出回っていて、知る人ぞ知る名物になっています。
それが、鳥取発の「ピンクの醤油」。
醤油は黒という概念を打ち破ったまさかの発想……。
そんなピンクの醤油の秘密に迫ります。
ピンクの醤油はどこから現れたのか?
お取り寄せ商品でも人気を呼んでいる、鳥取発の商品「ピンクの醤油」(気になる人は、「ピンクの醤油で検索してみてくださいね)。
一体、なぜこのような商品が誕生したのでしょうか? この商品を開発したのは、鳥取に本拠地を構える会社の女性社長でした。
鳥取というと松葉ガニやハタハタなど海鮮が有名です。
そんな海鮮に欠かせないものが醤油ですが、もしもこれがピンクだったら食卓が明るくなるのでは……という気持ちでできたのがピンク醤油でした。
女性の視点から鳥取を盛り上げようという想いで作られたピンク醤油は、さまざまなメディアで取り上げられました。
「華貴婦人」をイメージしたというこの商品は醤油にとどまらず、ピンクのレトルトカレーやマヨネーズなども続けて販売されたのです。
気になる、そのピンクの秘密は?
中まで赤い、鳥取の名産「ビーツ」
しかし、ピンクの醤油って一体どんな味なんだろう?と疑問に思う方も多いことでしょう。
意外にも、味は九州のたまり醤油に近いようなもので、ダシのきいたうまみが感じられるとのこと。
カルパッチョにかけても合うとのことで、とても使いやすい調味料になっています。
しかし、そもそも、なぜ醤油をピンクにすることができたのでしょうか?
その秘密は、鳥取名産の野菜「ビーツ」にあります。その見た目は赤いカブのようなもの。
日本では、あまりなじみがありませんが、欧米の食卓にはスープやサラダによく使われる野菜です。
ビーツは実に栄養満点の野菜で、免疫力を高めたり、整腸作用、貧血、高血圧、便秘などによい効果をもたらしてくれるといわれています。さらには、美肌効果もあるとのことで、ピンクの醤油はまさに「女性に優しい醤油」といえるでしょう。
ピンク効果で鳥取が活性化
ピンクに染まる「恋山形駅」
鳥取名産のビーツを使ったピンクの醤油。
鳥取で取れた海鮮と一緒に食べれば、地域もおおいに活性化します。このピンクの醤油に端を発したのか、鳥取にはなにかとピンクのものが多いのです。
例えば、鳥取のローカル線若桜鉄道の「ピンクSL」。
こちらは、今年の5月に期間限定でピンクSLを走らせました。5月1日を「恋の日」と語呂合わせし記念したことからピンクにつながったのだとか。
さらにもうひとつ、こちらも鳥取のローカル線智頭急行の駅「恋山形駅」。
なんと、ここは駅舎が鮮やかなピンクに染められているのです。新たな恋愛成就のスポットとして、地域の活性化にひと役買っているようです。
── ピンクの秘密は鳥取を愛する心。
地元を知り、その土地のよさを伝えるための発想が地域活性化につながっていくのですね。