「恋とクルマと音楽と」今回は、“寂しさと向き合うための名曲”がテーマです。
早いものでこのコラムも五回目、いつものようにAmanekチャンネルの番組「恋とクルマと音楽と」と連動しつつ、胸キュン前線の真下で四季折々のドライブシーンやデートシーンを“妄想”して行きます。
写真は、心を揺らす写真家:安藤きをくさんの小説のような優しいカット。
静かな時間をお楽しみください。
心のすり傷
11月に入るといよいよ東京都心でも、最低気温が一桁の日がでてきます。10月と比べると、最高気温も最低気温も5度前後下がっていて、その急激な変化に体はもちろん心もついていくのがやっとの時期です。「秋の日は釣瓶落とし…落ちた心は浮かばない。」by 昭和の男
16時台には日が暮れて、箪笥の奥にしまわれた“涼しい”という単語に代わり“寒い”という単語がハンガーにかけられる一年で最もセンチメンタル指数が上がる霜月。僕たちの遠い失恋のかさぶたがはがれることもしばしばです。
「別れてもずっと忘れないからね…」「大切な先輩以上には思えません」「今日までありがとう」「いったん距離を置いてみない?」などなど、この手の優しそうで優しくない言葉は晩秋らしいと言えば晩秋らしいですね。
ということで、レコチョクでも街中でもこの時期からはラブソング攻めのシーズンですから、
このコラムも負けずに心のすり傷と正面から向き合い、寂しくも優しい歌をご紹介しようと思います。
手をつなぐということ
アルバム「スーパースター」に収録 思い出せなくなるその日まで (back number)
ところで、「初めて異性と手をつないだのはいつですか?」
僕は、中2、確か今頃だった気がします。
「寒いね…」って言いながら手をこすり息を吹きかえている彼女を見ていたら、思わず、手を握っていた部活の帰り道でした。片方で自転車を押しながら心臓バクバクで何も話せなかったあの日。僕はサッカー部、彼女はバスケットボール部…そんなことより、手はつないだものの離すタイミングがつかめなかったとが忘れられません。
さて、みなさん、いくつになっても大切な“手をつなぐ”という基本のスキンシップ、“あの人”“あの頃”を頭に浮かべてback numberの「思い出せなくなるその日まで」をお聴きください。タイトルからしてヤバいですね。
アルバム「SUPER BETTER DOG」に収録 サヨナラCOLOR (SUPER BETTER DOG)
二曲目は…。
あんなに強く、毎日…バスの中でも電車の中でも手をつないでいたのに…と寂しさに浸っているとき、
「もっといい人いるから!」とか、「あいつは君の良さがわかってない!」という励ましではなく、
「すべてはさよならから始まる…とも言えると思うんだ」なんて現実的なことを言わてもすぐには受け入れられないかもしれません。
でも、現実を直視しようと努力すれば回復が早まるのも間違いないでしょう。
ということで、サビが「さよならから始まることも…」で始まるJ-POPのスタンダードなバラード“サヨナラCOLOR”。
歌っているのは現ハナレグミさんですが、優しい歌声のせいで、“泣いてもいいんだよ”って聴こえてくるから不思議です。ぜひ、泣いてください。