冷たい時雨と小春日和とを交互に繰り返し、繰り返し。いつの間にか次第に秋は深まり、都会の街路樹もすっかり色づいてきています。本日、太陽が黄径225度の点を通過した時点から、冬に入る最初の節「立冬」に。「秋分」と「冬至」のちょうど中間となり、錦秋の風景のなかにも、冬の足音が近づいてきました。
「暦便覧」によると立冬とは、“冬の気立ち初めていよいよ冷ゆればなり”。寒冷地では大地が次第に凍り、すでに雪のニュースも届き出し、山々の頂を雪や氷が白く染める初冠雪が、目前に迫った冬の訪れを示しています。
昼間の時間も日々短くなるこの時節。木の葉を散らす冷たい北寄りの季節風「木枯らし」も吹き出します。東京や大阪で最初に観測される木枯らしが「木枯らし1号」。冷たい風にはらはらと葉を落としてゆく樹木の姿に、すっと肺を満たす冷たい空気に、なんとはなしに「今年ももうすぐ終わり」といったもの寂しさと、慌ただしさを覚えます。