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つらい歯の痛みにもよく効きます!?お地蔵さまの秘密

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つらい歯の痛みにもよく効きます!?お地蔵さまの秘密

身近なところで人々の暮らしを守るお地蔵さま。各地で民間信仰と結びつき、さまざまなお地蔵さまが造られた

身近なところで人々の暮らしを守るお地蔵さま。各地で民間信仰と結びつき、さまざまなお地蔵さまが造られた

坊主頭に赤いよだれかけ……、秋晴れの下でひっそり佇むお地蔵さまは、日本で最もポピュラーな神様のひとつですが、ほかの神仏と大きく違うのは、そのバリエーションの豊富さではないでしょうか?
それぞれのお地蔵さまが、何かしら突出した得意分野を持っていることが多く、しかもその守備範囲が非常に細かく分かれているのです。例えば「体の痛みを取り去る」というご利益ひとつとっても、手、足、腰という具合に、お地蔵さまによって治せる部位が決まっていて、まるで専門医のようです。

そもそも、お地蔵さまとは?

昔話にもよく登場するお地蔵さま

昔話にもよく登場するお地蔵さま

お地蔵さまは、正式には地蔵菩薩といいます。菩薩というのは、仏陀(ブッダ。悟りを開いた人)の前段階にいる人、つまりもう少しで悟りを開けそうな人のことを指します。
昔話などにもよく登場するように、人々を救うために、身近に現れる仏様として広く親しまれています。
お地蔵さまの姿は、左手を曲げて手のひらに宝珠(ほうじゅ)を、右手には錫杖(しゃくじょう)を持っているのが一般的です。これは、古い中国の経典がもとになっていますが、髪形や服装は、身近にいるお坊さんとよく似ています。
やさしい表情で、子どもを守ってくれる、人々を苦しみから救ってくれるお地蔵さまですが、時にはあの世で死者に裁きを下す、恐ろしい閻魔さまと同一視されることもあります。 

お地蔵さまのご利益は即効性が高い?

願い事は、生きてる間にかなえてくれなくちゃ意味がない?

願い事は、生きてる間にかなえてくれなくちゃ意味がない?

お地蔵さまが広く信仰を集めている理由のひとつに、祈願してから効果があらわれるまでの時間が短いことがあげられます。
亡くなった後、浄土(仏教でいう仏様の世界)に行ける、次に生まれ変わったら幸せになれるというのではなく、今の人生を生きている間中にその効果が期待できる、「現世利益」がポイントです。
中には、お願いをしてから持ち上げると、その時に「重い」と感じるか「軽い」と感じるかで、その願い事が「かなう」か「かなわない」か、結果がすぐにわかるというお地蔵さまもいます。 

お地蔵さまのご利益いろいろ

お味噌を塗ると願いがかなうお地蔵さまも

お味噌を塗ると願いがかなうお地蔵さまも

お地蔵さまへの信仰は、平安時代後期に広がり、各地で民間信仰と結びついて、さまざまなお地蔵さまが造られました。
ある意味俗っぽいというか、人々の欲求にも率直に対応してくれて、子どもが元気に育つよう守ってくれる「子育て地蔵」、寿命の伸ばしてくれる「延命地蔵」、病気やケガ、苦しいこと、つらいことを代わって引き受けてくれる「身代わり地蔵」などいろいろです。もちろん経済的なご利益を授けてくれるお地蔵さまもいて、商売繁盛だけでなく、職探しやリストラ除けで信仰を集めているお地蔵さまもいるようです。
また自然災害や何か大きな変事がある際に、汗をかいたりして、あらかじめ人々に危険を知らせてくれるお地蔵さまもいます。
その祈願の仕方もさまざまで、例えば縄でお地蔵さまの体をぐるぐる巻きにしてしまう「縛られ地蔵」や、お味噌などを塗る「味噌地蔵」といったものもあれば、自分の体の悪い部分と同じところを水で洗う「洗い地蔵」などもあります。
さらに、願いがかなった後のお礼もお地蔵さまによって決まりがあるようです。「くぎ」と「くぎ抜き」を描いた絵馬を奉納する、塩を奉納するなど、いろいろです。 

歯痛を取り除いてくれるお地蔵さま

歯通もお地蔵さまが治してくれた?

歯通もお地蔵さまが治してくれた?

人々の健康を守ってくれるお地蔵さまはたくさんありますが、中でも歯の痛みを取り除いてくれるお地蔵さまは全国にいるようです。
例えば、埼玉県熊谷市には、全身を真っ赤に塗られているお地蔵さまがいて、この赤い色を削って痛い歯に塗ると治ると言われています。お地蔵さまに何かを祈願する際に、色を塗るという風習は各地に見られ、その色も赤や白、青などそれぞれの地域によって異なります。

一方、患部がないお地蔵さまもいます。
長い年月、雨風にさらされてそうなってしまったのか、もともとそのような造形だったのか、「あごなし地蔵」と言われるお地蔵さまは、どういう訳か顔の一部あごの部分がありません。
本来歯があるべき部分がないので歯の痛みもない、という発想からか、歯痛を取り除いてくれるという信仰を集めることもあるようです。
また、大阪府豊中市の東光院というお寺にある「あごなし地蔵」は、阿古(あご)という人の歯痛を治したことから「あごなおし」がなまって「あごなし」と呼ばれるようになったそうです。

こうしてみると、いろんなお地蔵さまがいるものです。それだけ人々の悩みも多種多様ということなのかもしれません。



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