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Utsuke Bron

ラテン音楽界のスーパースター、カエターノ・ヴェローゾ

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ラテン音楽界のスーパースター、カエターノ・ヴェローゾ

リオ・デ・ジャネイロのシンボル コルコヴァード

リオ・デ・ジャネイロのシンボル コルコヴァード

南米初の大会としてブラジル・リオ・オリンピックが開催されています。
開催直後から60年ぶりとなる競泳日本勢のダブル表彰台や、3大会ぶりの体操団体男子金メダル獲得、内村航平選手の逆転「金」など、連日メダルラッシュにわく日本勢。寝不足の人も多いのではないでしょうか。
また、開会式では多民族国家ブラジルの、多彩な魅力がパノラマのように紹介されました。
ブラジルのアーティストも多数出演しましたが、その一人、ラテン音楽界の頂点に君臨する「カエターノ・ヴェローゾ」をご紹介しましょう。


強いアフリカ文化の影響

カエターノ・ヴェローゾは、1942年生まれ。現在74歳です。
生まれたのは東部のバイーア州。アフリカ系の住民が多く、宗教や文化でアフリカ大陸の影響が大きい地域だとされます。リオ・デ・ジャネイロも東海岸です。

カエターノ・ヴェローゾの音楽も、特に近年の作品はアフリカ音楽の影響が強いようです。
カエターノは、1960年代、ビートルズの強い影響をもとにしたブラジルのポピュラー音楽のムーヴメント「トロピカリズモ」の代表的な人物でした。開会式にも出演したジルベルト・ジルをはじめとして、ガル・コスタ、トン・ゼー、シコ・ブアルキ、ムタンチスらが参加していました。

ところが、この動きが多分に当時の軍事政権に批判的な姿勢をとっていたこともあって、カエターノとジルベルト・ジルは逮捕されてしまいます。カエターノは1969年にロンドンへ亡命します。 

カエターノ・ヴェローゾの貪欲な音楽

「リーヴロ」のアルバムジャケ

「リーヴロ」のアルバムジャケ

1972年に帰国してから精力的にレコードを発表して、現在ではブラジルを代表するトップ・アーティストです。
カエターノの音楽は、ロックやブルースだけでなく、ボサノヴァ、サンバなどブラジル各地のポピュラー音楽、そしてアフリカ音楽などが貪欲に引用され重ね合わされた、複雑でありながら、洗練されたもの。瞑想的な歌詞も特徴的です。

同時代のファンクサウンドやヒップ・ホップ、映画や演劇、そしてブラジル特有の前衛芸術(コンクリート・ポエムなど)などの影響もみて取れます。オリジナルの単独作品だけでも30枚を超えます。この他にもライブアルバムやコラボレーションが多く存在します。 

強引に独断で(!)、彼のアルバムを3枚ご紹介

「クアルケル・コイザ」のアルバムジャケ

「クアルケル・コイザ」のアルバムジャケ

現時点でのスタジオ最新作は「アブラッサソ」(2012)。
4人編成のバンドで、どちらかというとロック色の強い内容ですが、70歳を超えた今もその尖鋭的な姿勢、アレンジとリズム・音色の多彩さはまったく変わりません。
大ファンゆえに数を絞ることは非常にむずかしいのですが、強引かつ独断にアルバムを3枚紹介します。

「ドミンゴ」(1967)
デビュー作は「トロピカリズモ」の同士ガル・コスタとの共演したボサノヴァ・アルバム。名曲「コラソン・ヴァガボンド」(さまよう魂)は、今でもライブで歌われます。

「クアルケル・コイザ」(1975)
タイトル曲は「どんなことでも」という意味。「エリナ・リグビー」などビートルズをカバーしています。アコースティック中心の繊細で美しいアレンジ、人間の感情のひだに触れるような歌声は他にないものです。

「リーヴロ」(1997)
タイトルは「書物」。タイトル「書物」の引用のように、さまざまな音楽からいろいろな要素がコラージュされています。それが頭でっかちではなく、サンバのように肉感的で、カラフルです。大傑作。

カエターノは、ブラジルの多彩な文化の一つの結晶のような存在だと思います。
オリンピックでブラジルに興味を持ったら、ぜひ一度聞いてみてください。

スーパースターであるカエターノ・ヴェローゾが、秋には久しぶりに来日するよう。
10月7日から9日にかけて開催される「モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン 2016」(恵比寿ザ・ガーデンホール、代官山UNIT)の出演者として、カエターノ・ヴェローゾの名が発表されています。本日8月13日からプレイガイド先行も開始(一般発売:8月27日より)されているので、気になる人はチェックしてみてください。

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