足早に颯爽と、夏が訪れた感じがする今日このごろ。晴れ渡った日にはどこまでも透みきった天空が広がり、青葉の匂いとともに、さらりと肌ざわりのいい風が吹き抜けます。
萌える若葉をそよがせる初夏の風のことを「薫風」と言い、夏の到来を知らせる風に、そこはかとないかぐわしさが漂ってくるようです。
葉桜、若楓(わかかえで)、青もみじ、柿若葉、…
さまざまに、思い思いに、草木たちが描く緑のグラデーションをざわめかせ、さわさわと吹き渡っていく強い風が「青嵐」で、「あおあらし」とも「せいらん」とも読みます。
この時季、上空に寒気が流れ込むと、突風が吹いたり、雹(ひょう)が降ることも。雹は夏に発生しやすい積乱雲の中の強い上昇気流で生まれる氷の粒。地表付近の気温がさほど高くない初夏に、ときおり地上に落下し私たちを驚かせます。
このところ気温もぐんぐんあがり、25度を超える「夏日」も増えてきましたが、一面の緑の世界と化した地上を揺らすように吹く風は、心地よく爽快そのものですね。