日本においても、飛鳥時代から暦の研究が始まりました。862(貞観4)年「宣明暦」が採用されると約800年続きました。その後、江戸時代に渋川春海が「貞享暦」を作り、その功績により幕府の天文方という職種につくと、幕府は浅草に浅草天文台を設置したと言います。元祖天文台はこちらだったとも言えますね。江戸中期に入ると、将軍吉宗の意向により改暦チームが結成されます。その成果が出たのは1798(寛政10)年、高橋至時の「寛政暦」へ改暦されます。その後、高橋至時の弟子であった伊能忠敬による日本地図の制作は広く知られるところですね。暦は、天体の動き(月や太陽の運行)を知ることにより、地の動きを知るためのツールです。農作物の安定した収穫や、日食・月食の時期など、季節の変化を受けとめるために欠かせないものだったことがわかります。