本格的に秋の涼しさが訪れるようになったこの頃。
10月27日は「テディベアズ・デー」に制定されています。
テディベアというと、言わずとしれたかわいらしい熊のぬいぐるみですが、なぜ「テディベア」と名づけられたかご存じですか? 熊のぬいぐるみだから「ベア」だけでもよいはずですが?
実は、「テディ」はアメリカ26代大統領であったセオドア・ルーズベルトのニックネームであり、10月27日はルーズベルト大統領の誕生日でもあります。
そんなルーズベルト大統領とテディベアの関係とは?
テディベアは優しさの象徴
テディベアの成り立ちは小熊から
ルーズベルトは熊狩りを趣味としていて、ある日もほかのハンターや記者を連れて熊狩りに出かけていました。
しかし、その日は狩ることができませんでした。
そこで、同行していたハンターが小熊を狙い撃ち最後の一撃をルーズベルトのために差し出しそうとしました。
しかし、ルーズベルトは「瀕死の小熊を撃つのはスポーツマン精神に反する」として、撃つのをやめて小熊を助け出したのです。
そのエピソードを同行していた記者が記事にし、ワシントンポスト紙に掲載しました。
そんな心優しいルーズベルトのエピソードはアメリカで大きな反響を呼びました。
ある、お菓子屋が熊のぬいぐるみを作り、ルーズベルトのニックネームである「テディ」から「テディベア」と名づけたといわれています。
ルーズベルトの優しさから生まれ、今では世界中でテディベアは愛される存在となったのです。
ドイツからアメリカに渡ったテディベア
初めてテディベアを作ったのは、アメリカのお菓子屋といわれていますが、その存在を一気に知らしめたのは意外にもドイツの会社でした。
お菓子屋が作ったテディベアと時を同じくしてドイツのシュタイフ社でも、熊のぬいぐるみが作られました。
ある博覧会で出品したシュタイフ製のテディベアがアメリカのバイヤーの目にとまり、なんと3000体ものシュタイフ製テディベアを発注したのです。
瞬く間にテディベアはアメリカで大人気となりました。
そんなシュタイフ社は世界で初めてぬいぐるみを作った会社。
始まりは、小さな「象」のぬいぐるみからだったといいます。
1880年にシュタイフ社が創立された頃は、もちろんひとつひとつ手作業でぬいぐるみが作られました。
手作業でありながらかわいらしい表情や肌触りにもこだわったその質は、あっという間に人気となりました。
テディベアを作った際のコンセプトは、「ペットと家族の中間に位置する存在のおもちゃ」だったそうです。
ちなみにテディベアは熊のぬいぐるみのことを総称して「テディベア」と呼びます。
どこの会社が作ろうと熊のぬいぐるみ=テディベアと呼ばれます。
テディベアズ・デーの始まり
大事な人にテディべアのプレゼントを
アメリカで始まり、ドイツで作られ、さらにアメリカで広まっていったテディベア。
ルーズベルトの誕生日である10月27日に「テディべアズ・デー」が制定されました。
このテディベアズ・デーはイギリスのテディベアコレクターの間で始められたといわれています。
この日は世界中で「心の支えを必要とする人たちにテディベアを贈る運動」が行われるようになりました。
テディベアを介して、「あなたのことを考えている私がここにいますよ」というメッセージを込めて、プレゼントする風習が世界中に広まっていったのです。
──誰もが一度は手にしたことがあるといってもいいほど、親しみがあるテディベア。
そのかわいらしい姿が自然と人の心を癒してくれているのかもしれませんね。
テディベアに想いを込めて、大切な誰かにプレゼントしてみてはいかがでしょう?