高麗人参が入った「参鶏湯」は、韓国では産後の回復食
高麗人参は、中国北東部から朝鮮半島が原産地のウコギ科の植物で、朝鮮人参、オタネニンジンとも呼ばれています。私たちが普段食用としているセリ科の人参とはまったく別の植物になります。現在は、70%以上が中国と韓国で栽培されており、6年以上かけて収穫された6年根の高麗人参が有効成分サポニンを最も多く含有しているそう。6年根の高麗人参の根の部分を蒸してから乾燥させた「紅参」(こうじん)は、最高級品として珍重されています。
高麗人参の最大の特徴は、ホルモン分泌をサポートし、免疫システムを整えてくれること。ストレスで疲れをため込んで弱ったからだのベースを上げるはたらきをしてくれます。その結果、滋養強壮作用や精力増強作用につながり、メンタルヘルスの分野でも注目をあびています。ストレスによる体調不良とともに、そのメンタル面に与えるダメージがますます深刻さを増す現代において、副作用がなくからだとこころの不調を整えてくれる高麗人参は、私たちの悩みの多くを解消してくれる、まさに万能なアダプトゲンハーブなのです。
数多くある高麗人参のパワーのひとつに、血栓を溶かし血液をさらさらに保つ作用があることから、生活習慣病の予防にも威力を発揮してくれます。有効成分のサポニンがインスリンに似たはたらきをするため、糖尿病にも古くから適用されてきました。また、男女ともにホルモンの分泌を促してくれることから、特に女性においては妊活、月経不順、更年期症状の緩和など、婦人科系の悩みに幅広く作用してくれます。これからの寒い季節には、からだの機能を底上げして免疫力をアップしてくれる高麗人参は、風邪やインフルエンザの予防にも一役かってくれそうですね。
不老長寿の妙薬として古くから珍重されてきた高麗人参には、驚くほど多岐にわたって私たちのからだとこころを整えてくれるパワーが備わっています。サプリメントやお茶、薬膳酒、濃縮エキスなど、さまざまな形態で摂取することができる高麗人参。疲れがとれない時や気分が落ち込みがちな時のスペシャルなケアとして、ライフスタイルに合ったかたちで高麗人参を取り入れてみてはいかがでしょうか。