『トリコロール 青の愛』 出典 Bunkamuraル・シネマ「キェシロフスキのまなざし」
ポーランドに生まれたクシシュトフ・キェシロフスキ監督は、70年代よりドキュメンタリー映画を中心に本格的に監督としてのキャリアをスタート。80年代に入ると、その鋭い観察眼は人間の心の奥底に向けられます。愛に満ちた詩的な世界観と美しい映像は絶賛を受け、90年代にはジュリエット・ビノシュ、ジュリー・デルピー、イレーヌ・ジャコブといったフランスを代表する名女優3人をそれぞれ主演にむかえた『トリコロール』3部作が世界中で大ヒット。一躍時代を代表する名匠となります。しかしこれからの活躍が期待された矢先の96年、突然の心臓発作でこの世を去ります。54歳の若さでした。
今回の上映は、ル・シネマでの封切り時にも絶大な人気を誇った『トリコロール 青の愛』『トリコロール 白の愛』『トリコロール 赤の愛』『ふたりのベロニカ』をはじめ、今回のイベントのために特別に上映許可を取得したポーランド時代の初期作『偶然』『愛に関するみじかいフィルム』など6作品を含む全10作。映写機がほぼデジタルに移行しているなか、いずれも貴重な35ミリフィルムでの上映となります。