中国から伝来した粽(ちまき)。笹などの葉に餅米を包んでいる
こうして、全国に伝わっていった柏餅ですが、もともと、それまで全国的に節句菓子と言えば粽(ちまき)だったのですね。
なぜ、柏餅ブームに乗らずに、関西は粽のままだったのか。それは単純に、柏の木が関西になかったからです。
粽の起源は、中国の古代詩人が、世を愁い、川に身を投げたことを悲しんだ民が、餅米を葉で包み、邪気を祓う五色の糸で縛って、その霊を慰めるために川に供えたのが始まりです。
五色の糸—赤・青・黄・白・黒は、災いを祓う色。子どもの無病息災を願い、鯉のぼりの吹き流しの色としても、反映されています。
鯉は立身出世の象徴でもあり、子どもが立派に育って欲しいという願いも込められているのですね。