近江神宮に残る「漏刻」
昭和初期くらいまでは、日本人は時間にルーズとされてきました。
しかし、時間を意識するという考えがまったくなかったわけでもありません。日本で初めて時刻を知らせたのは、何と西暦671年、天智天皇の時代までさかのぼるというから驚きです。
日本最古の時計とされているのが「漏刻」というもの。簡単にいうと「水時計」です。
これは容器に水を流し、その水位の高さで時刻を計るという仕組み。
この漏刻が初めて鐘鼓を打ったのが671年4月25日であったと『日本書紀』に記されています。この日が太陽暦でいう6月10日に当たることから、「時の記念日」の由来といわれています。
水時計の他には、線香を燃やして時間を計る「香時計」、
日の出・日没を基準とした「和時計」などが出現しましたが、今のように秒単位で時を刻むものではなく、大まかな時間を把握する程度のものでしかありませんでした。