「地球はみずみずしい色調にあふれて美しく、薄青色の円光にかこまれていた」(ガガーリン)
成層圏へ連れていってくれるのは、なんと「戦闘機」。
ロシアの航空機製造会社が所有する観光用のミグ29に搭乗し、「乗客でなく『第2パイロット』として」45分間飛行で成層圏から青い地球を確認せよ!というミッションなのです。
ミグ29は、ソ連時代に開発され、ロシア空軍のアクロバット飛行にも使われている戦闘機。もちろんふだんは一般人が乗ることはできません。そのため、航空マニアの皆さんにとっても魅力的なツアーになっています。
それにしても、戦闘機に乗って宇宙の入口へ行くとなれば、やっぱりそれなりの訓練が!と思いきや、当日現地にて簡単なレクチャーを受け、搭乗前に健康診断を受けるだけでOKなのだそうです。
まずは博物館で、搭乗する戦闘機についての歴史、性能について約1時間学びます(日本語アシスタント付)。パイロットによるフライト説明の後、搭乗前のメディカルチェック。そしていよいよ飛行機に乗るために、重量スーツに着替えます! 酸素マスクをつけ準備完了。 片道約20分で成層圏へ。到達した地点から見えるのは、地球の湾曲。宇宙との境目。
とはいえ、高度約18kmは地上の約9倍の重力が体にかかるといわれ、成層圏からの帰り道は曲芸飛行(←サービス)しながら地上におりていくのだとか・・・訓練は不要でも覚悟は必要そうです。また、乗れるのはひとりずつなので、ハネムーンには不向きかもしれません。ちなみに今まで20人ほどが参加していて、死亡事故は起きていないそうです。
「宇宙に行ったらしてみたいこと」を問うアンケートでは、「地球を眺めてみたい」という回答がダントツ1位になるといいます。自分の住んでいる母なる星を見てみたい、というのは人類共通の願いなのですね。地球を見つめる機会が多くの人に訪れれば、地球環境のかけがえのなさが広く理解されるようになる、という期待にも納得です。