2015年の映画「ザ・ウォーク」は若手人気俳優ジョセフ・ゴードン=レヴィットが実在の綱渡りの大道芸人を演じるノンフィクション映画。この実在のフランス人大道芸人は1974年にワールドトレードセンターで綱渡りをしてニューヨーク市民を驚かせた人物。この綱渡りを再現した場面は手に汗握る緊迫感のあるシーン。実はこのシーンCG?、いやいや本人がスタント無しに演じている…等映画ファン達の間で様々な憶測がとんだそう。
蓋を開けてみれば実は綱渡りを演じたのは現代の大道芸人で、彼の顔のみを主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットにすげ替える加工がなされたそう。<この映画の監督・ロバート・ゼメキスは大ヒット映画「フォレストガンプ 一期一会」の中でもアメリカ史上の実際の歴史的場面に主人公のフォレスト・ガンプをCGで合成(ケネディ大統領と握手したり、ジョン・レノンと会話をしたり)し観客を驚かせました>
この裏事情を聞いて感じる事は人それぞれかもしれませんが「じゃあ、その俳優が演じる意味は…!?」と感じる方も多いと思います。セリフは口で喋るのだから顔が本人ならいいじゃない、と割り切る事も出来ますが、感情は身体や仕草でも表現するものです。顔と身体が一致していないとその俳優が演じているのか、という疑問も湧いてくる気もします。でもこれは映画の技術の進歩なのですね。どんな危険な場面も「その俳優が演じているように「見せる」事が可能になったのですから。