「エメラルド」の語源は、サンスクリット語で「緑色の石」を意味する「スマラカタ」。
これがヨーロッパに伝わり、やがてエメラルドと呼ばれるようになったと言われます。
エメラルドと人間の歴史は古く、古代エジプトではエメラルドを護符として用いていました。
聖書にもエメラルドに関する記述は多く、「神がソロモンに与えた4つの宝石のうち1つはエメラルドだった」とも、「イエスが『最後の晩餐』で使った聖杯はエメラルド製だった」ともいわれます。
古い時代には「緑色の石」が一くくりにエメラルドと呼ばれたため、記録のすべてがエメラルドそのものを指すとは限らない模様。とはいえ、人びとが「緑色の石」に特別な意味合いをこめていたのは確かです。
緑は、すなわち草木の色。植物が芽吹く春を連想させる色でもあります。グリーンの石は、再生や復活の象徴だったのかもしれません。