さて、牡丹の名所は全国各所にあり、ちょうど見ごろを迎えているところも数多くあります。
なかでも、ご本尊の「十一面観世音菩薩立像」で名高い奈良・大和路「長谷寺」では、4月16日~5月8日に「ぼたん祭り」を開催中で、まさに約150種約7,000株もの牡丹が満開を迎えているとのことです。
重要文化財に指定されている(入口の仁王門から本堂まで続く」、399段という非常に長く壮麗な「登廊(のぼりろう)」付近をはじめ境内の随所に、艶やかに、競うように、色とりどりの花が咲き誇るさまは圧巻のひとこと。
ここ長谷寺では1100年前から、牡丹の栽培が始まったとのこと。そのルーツは、唐の皇妃・馬頭夫人(めずぶにん)が寄進した牡丹の苗に由来するのだそうです。顔が長く鼻が馬のようだったことから「馬頭夫人」と言われていた妃。その容貌の悩みを長谷観音に祈願したところ絶世の美女に変身し、その霊験のお礼に牡丹を献木したといった逸話が今も語り継がれています。