船外活動(EVA)や科学実験で忙しい宇宙飛行士。普段の生活は?
宇宙飛行士の主な任務は、ステーションの運用や科学実験など。
機器が故障したからといって修理担当者は駆けつけてくれませんから、機器の保守・点検も大切な仕事です。管理する対象は、実験に必要な機器だけでなく、酸素の生成装置や、水を再利用するための設備なども含まれます。
髪の毛やホコリなど、小さなゴミが実験機器に入り込むと、故障の原因になるので大変です。とくに実験棟には定期的に「掃除機」をかけて、丁寧にお掃除をする必要があるそうですよ。ちなみに、爪切りはエア・ダクトの「吸気フィルター」の近くで行い、終わったらフィルターに掃除機をかけるのがマナーなのだとか。
宇宙飛行士のスケジュールを調べてみると、ウィークデイは科学実験や地上との連絡、週末は実験棟や居住棟のお掃除。手の空いた時間に食料品や、ティッシュペーパーなどの消耗品の在庫整理……。宇宙空間とはいえ、やはり「生活をしているのだなあ」と、親しみを感じてしまいます。
国際宇宙ステーションで貴重なのは、なんといっても「水」。
飲む以外の水はできるだけ節約され、たとえばトイレは水ではなく空気の流れで吸い取るシステムになっています。
手を洗う際は、石鹸があらかじめ混ぜられた水のパックをストローで少しずつ出してこすりつけ、タオルで拭き取ります。
衣服は、なんと「使い捨て」。といっても、無重力空間では衣服もふわふわ浮いて、あまり肌に密着しないため、地上にいるよりも長く着られるのだそうです。
着た後の衣類は、その他の不用品とまとめて無人補給機に積み込まれ、大気圏に再突入することで焼却しています。