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Utsuke Bron

子づくりを教わった?! 七十二候「鶺鴒鳴(せきれいなく)」

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子づくりを教わった?! 七十二候「鶺鴒鳴(せきれいなく)」

筋がとおって背キレイ☆なハクセキレイ先生

筋がとおって背キレイ☆なハクセキレイ先生

日本に多いハクセキレイは、何十年か前までは北海道や東北だけで繁殖し、秋になると本州へやってくる鳥だったそうです。いまは都会でも一年中見られ、スズメ・カラス・ハトなどと並ぶ身近な小鳥。長い尻尾を上下に振りながらツピツピと歩く姿がとっても可愛いですね。『日本書紀』にはなんと、あのイザナギ・イザナミご夫妻がセキレイの指導で夫婦和合し「国産み」できたとの記述が!! そして現在、白と黒のせめぎ合いも・・・可愛い鳥の意外な素顔にせまります。


別名「オシエドリ」。胸をはり尾で叩いて道を説く

厳格だが愛情深く凛々しいキセキレイ先生

厳格だが愛情深く凛々しいキセキレイ先生

現在日本で主に見られるセキレイは、3種類。
都心の公園などでよく芝生をころがるように歩いている白っぽい鳥が、『ハクセキレイ』。川の上流から中流の岩の上など山あいの水辺にいるのが、黒い背中の『セグロセキレイ』と黄色いお腹の『キセキレイ』です。

スマートなボディと、地上生活するにも便利な長い脚。ころっとしたスズメなどに比べてスタイル抜群なので、よく目立ちます。セキレイの仲間は、尾を上下に振りながら歩くのが特徴。立ち止まってあたりの様子をうかがうときも尾だけはチロチロと振り、ウトウト寝ているときも振っていて熟睡すると止まるともいいます。けれどなぜ振るのかはわかっていないそうです。尾を左右に振る希少な種類(『イワミセキレイ』)もいて、野鳥の神秘を感じさせます。

「セキレイ」という名は、中国での呼び名「鶺鴒」を音読みしたもので、「背筋を伸ばした美しい姿勢の鳥」という意味なのです。たしかにスイッと良い姿勢ですね!

セキレイにはたくさんの別名があり、尻尾の動きが石などを叩いているように見えることから「イシタタキ」「イワタタキ」「ニワタタキ」などとも呼ばれます。さらに、「オシエドリ(教鳥)」「コイオシエドリ(恋教鳥)」「トツギドリ(嫁鳥)」「トツギオシエドリ」「トツギマナビドリ」「ミチオシエドリ」・・・等々、なぜか知的な香りの呼び名がいっぱい。古に人家の庭を叩きながら、どんな教えを説いていたのでしょうか。 

日本人が存在するのはセキレイのおかげ(かも)!

おのころ島神社(兵庫県)の鶺鴒石

おのころ島神社(兵庫県)の鶺鴒石

「叩く」というほど激しい動きには見えない気もしますが、セキレイは見た目のかわいさに似合わず、けっこう激しい性格。闘いのルールや力関係を重んじるともいわれています。背筋を伸ばしピシ!ピシ!と鞭を振るって道理を教える、少々厳しめな先生のイメージがあっても不思議ではありません。
じつは日本の記録に残るセキレイ先生の最初の教え子は、「国産み神話」のイザナギとイザナミ夫妻。この歴史に残るゴールデンカップルを性教育したのが、ナニを隠そうセキレイ先生だったのです。

男女二柱の神イザナギとイザナミが天から降りてきて日本の国を産みだそうというとき、やり方がわかりませんでした。すると、セキレイがひょいとやってきて尾を上下に振り、その動きを見てピュアーなふたりは夫婦和合の方法を知り次々と子ども(=国や神)を産んだと、『日本書紀』には記されています。この神様の子どもたちが日本人をつくったとされ、つまりは、セキレイがいなかったら日本人は存在しなかったことに・・・

結婚披露宴会場の壁にセキレイが描かれたり婚礼の調度に鶺鴒台があるのは、それに由来するといいます。日本のおしどり夫婦の和合と繁栄は、セキレイが導いていたのですね。
日本各地にはセキレイにまつわる伝承があり、日本列島の中で最初に生まれたとされる淡路島には、セキレイが指導してみせたという「鶺鴒石」がまつられ夫婦や恋人たちの人気スポットになっています。 

ハクセキレイ、日本で勢力拡大中です

神様の恩師と噂されているセグロセキレイ先生

神様の恩師と噂されているセグロセキレイ先生

古来からずっと日本だけにいる、セグロセキレイ。黒い顔に白いマユが目印です。国産みを指導したのは、純日本産のこの種だったのでしょうか。九州から北海道まで分布し、たいてい川などの水辺から離れることなく暮らしています。

それに対してハクセキレイは、ユーラシア大陸からアフリカ大陸まで、世界でもっとも広く分布するセキレイです。近年は水辺を離れて暮らすものも増えているとのこと(だから街なかでよく見かけるのですね)。木の根元や雨戸の戸袋、郵便ポストや放置自転車の前カゴなど、あらゆる隙間を利用して巣づくりし、通常5〜6個の卵を産みます。人のすぐ前を平気で歩いたりする頑丈なハートも持ち合わせていて、いろいろな環境で生きていけそうです。

そんなわけで、現在日本列島では じわじわとハクセキレイのテリトリーが広がりつつあります。川原などのバトルでは、追いかけられているのはいつもセグロセキレイ・・・日本しか知らないおっとりした黒顔は、大陸育ちのたくましい白顔に押し負けてしまうのでしょうか。そしてハクセキレイは「チュチュン、チュチュン」と澄んだ声で鳴き、セグロセキレイは「ジー、ジー」と濁った声で鳴きます。 

街路樹の落ち葉が夜だけ復活!その真相は

騒音なんて気にしない?

騒音なんて気にしない?

秋冬の間、ハクセキレイは都心の道路沿いの街路樹などに集まって「集団ねぐら」で寝ています。夜になると、葉の落ちた街路樹にたくさんのセキレイ型シルエットが浮かび、まるで葉っぱがよみがえったかのように見えることも!

昼はそれぞれ単独で行動していたセキレイたちは、あたりが薄暗くなるとパラパラと集結。なぜかすぐには ねぐらの木に入らず、しばらく近くのビルの屋上にとまってざわざわしています。そしてあるときいっせいに、ねぐらの木に入るというのです。セキレイどうし合図をするのかなど、はっきりしたことはわかっていないとのこと。もしかしたら「セキレイ先生の先生」がいて、安全確認後に号令をかけているのかもしれませんね。
保安や保温のために冬場を集団で過ごす鳥は多くいて、シジュウカラはセキレイとは逆に、昼に群れて夜は穴で1羽ずつ眠るのだそうです。

集団ねぐらに選ばれるのは、車の往来が激しかったり人間のすぐ近くにある、かなり人工的な場所。何千羽も集まる大きな橋の下、駅前のビルや広告塔など、地域で有名なねぐらもあるようです。
秋に街を歩くときは、ツピツピ動く長い尻尾をぜひさがしてみてくださいね。

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