中国の人形には雨を「ほうき」で掃き出すという意味も
てるてる坊主というくらいですから、モチーフは男の子だろうと思われる方が多いでしょう。
ですが、てるてる坊主のモチーフは、実は「女の子」だったといわれています。
その起源は中国にあります。日本には平安時代に伝わってきたというからかなりの歴史を持ちます。
中国にもてるてる坊主のような人形があり「掛掃晴娘」(グアサオチンニャン)と呼ばれています。
この掛掃晴娘は、少し悲しい伝説から生まれたもの。
── ある年、北京を驚異的な大雨が降り、大きな水害が起こりました。街の人々が天の神様にお願いしてもその大雨がやむことはありませんでした。天の神様の目的は、美しい一人の女性「晴娘」(チンニャン)を自分のものにすること ──。
つまり、生け贄として差し出さなくてはならなかったのです。
晴娘は天の神のお告げのとおり、自分の身を差し出しました。
すると途端に雨がやみ、街は水害から救われたのです。
この伝説から、長い雨が続くとき、中国では雨をほうきで掃き出すという意味を込めて、ほうきを持った若い女性をかたどった切り紙を飾る……という風習が根付いたのです。