国立新美術館
ピエール・ オーギュスト・ ルノワール(1841-1919)は、言わずと知れた印象派の巨匠。展覧会は、革新的な印象派の試みから、伝統への回帰、両者の融合へと至る彼の足跡を辿っています。加えて、同時代の画家たちや音楽家の作品を同時に見聞きできることで、印象派の時代の気分を体感できる仕組みになっています。
ルノワールの時代のパリは、1852年にナポレオン3世が皇帝となり、百貨店ボン・マルシェが開店。1855年には第一回パリ万国博覧会が開かれ、大衆による消費文化が花開いた時期でした。1867年パリ博では江戸幕府、薩摩藩、佐賀藩が工芸品などを出展し、美術界でジャポニスムが沸き起こりました。日本からの出品は1878年のパリ博にも続き、印象派絵画に大きな影響を与えたと言われています。
そして印象派のメンバーが集うカフェでは、たくさんの画家や文化人たちが親交を結びました。マネ、ドガ、モネ、ゾラ、セザンヌ…その中で、いつも人を笑わせていたのがルノアールだったといいます。