最古の香水といわれる「ハンガリアンウォーター」は、中世ヨーロッパで香水として、また治療薬として各地で愛好されていました。17世紀に発行された冊子によると、その薬効は「体力を回復させ、精神を高揚させ、膝や神経を直し、視力を元に戻し、衰えないようにし、命を長らえさせる」とあります。
「ハンガリー王妃の水」、「若返りの香水」とも呼ばれるハンガリアンウォーターは、14世紀のハンガリー王妃エリザベートに由来するという説が有名で、次のような逸話が伝えらえています。
70歳を超えた王妃は、高齢のため健康を害し手足のしびれなどに苦しんでいました。それを治すために、修道士がローズマリーを用いたハーブチンキ(ハーブをアルコールにつけ込んで成分を抽出したもの)を献上しました。これを外用薬として使用した王妃はみるみる回復し若さを取り戻したことから、若きポーランド王(なんと20代!)に求婚されハンガリーとポーランドはひとつの国になった、というもの。まさに、奇跡の若返りの水…!