江戸時代、まだ交通網ができあがっていない頃は、行商人が食料などを運んで売りに来ていました。
当時は兵庫の漁港から魚が運ばれていましたが、京都まではかなりの距離……。
夏になると、京都まで運ぶのに死んでしまう魚も多くありました。
ところが、ハモの生命力の強さといったら驚きのもの……。京都にたどり着くまで元気に生き残っているのです。
ハモを漢字で書くと魚へんに「豊」。
生命力が豊か、栄養が豊か……などの意味が込められているといいます。
また、歯が鋭くどう猛な魚としても知られており、首の骨が折れていても噛みついてくるかなりの暴れん坊です。
交通網が発展していない中でも、その生命力の強さのおかげで、京都の食卓までたどり着くことができたのです。そのため、今に至るまでハモは夏の京料理の主役として重宝されています。