大山阿夫利神社下社から頂上の本社へ向かう石段
大山阿夫利神社の創建は、なんと今から2200余年以前。第十代崇神天皇の頃と伝えられています。標高1,252mの山頂に本社、同700メートルの中腹に下社があります。主祭神は、山の神・水の神、産業・海運の神の「大山祗大神(おおやまつみのおおかみ)」、その名の通り雷の神様の「大雷神(おおいかずちのかみ)」、祈雨・止雨の神「高おかみ神(たかおかみのかみ)」。
水に関係する神さまが揃いますね。実際に、大山は相模湾の水蒸気によって山上に雨雲を湛えていることが多く、別名「雨降山(あめふりやま)」転じて「阿夫利山(あふりやま)」などと呼ばれていました。下界では晴れていても大山に登ると雨、という日も珍しくありません。
農民たちは水の確保が生命線となりますから、古来より大山は雨乞い信仰の中心地として親しまれていました。源頼朝をはじめ、徳川家代々将軍など武将からも厚い崇敬を受け、江戸時代には庶民の信仰を集めて「大山詣り」が盛んになります。