「イグアノドン」の化石
遙か1億年以上前の大昔、恐竜が地球上に暮らしていた時代があった ──。
約1億6000万年ものあいだ繁栄し、今から約6550万年前に絶滅した恐竜。
いまや誰もが知ることですが、恐竜が世に認知されたのは1820年代。わずか、200年ほど前のことなのですね。
1820年代、恐竜の研究はイギリスが中心でした。
発端は1822年に、マンテル夫婦(英)が「イグアノドン」の歯を発見したことに始まります。
1824年にウィリアム・バックランド(英)が、著書で化石に「メガロサウルス」と命名したのが、恐竜に初めて付いた名前。
そして1841年にリチャード・オーエン(英)が、これまでイギリスで発見されていた「イグアノドン」「メガロサウルス」「ヒラエオサウルス」の3種を徹底的に研究し、まったく新しい爬虫類として「Dinosauria(ダイノサウリア)」という新グループ名を提唱しました。
こうして世に認知された恐竜は、20世紀初頭になると、ヨーロッパのみならず世界各地でその化石の発掘競争が盛んになっていきます。