ニュートンはリンゴが落ちたのを見て、「万有引力の法則」を思いついたといわれる。
「N(ニュートン)」という単位は、平成14年度(2002年度)から中学の教科書に登場しました。平成以降に生まれた子どもの中学理科の教科書に「N(ニュートン)」という単位が載っていて、今、40代くらいの方は、お子さんの教科書に見慣れない単位があるのを見て、ビックリしたことはないでしょうか。
「N(ニュートン)」は、力の単位です。万有引力の法則を発見したアイザック・ニュートンにちなみ、1948年に「N(ニュートン)」という単位が正式に採用され、国際単位系でも使われています。昭和のころは、「kg重(きろぐらむじゅう)」という単位が使われていましたよね。今の中学校の理科では、「1Nは質量が約100gの物体にはたらく重力の大きさ」と定義されています。
一方、「人間は考える葦である」という名言で有名なパスカルですが、「パスカルの原理」という言葉に記憶はありませんか。これは、流体における圧力の伝わり方に関する基本原理で、現在の化学や物理の基礎となっています。このような、圧力に関するパスカルの功績をたたえ、1971年に国際単位系で「Pa(パスカル)」という圧力の単位が正式に採用されました。こちらも理科の教科書で扱われています。
「ヘクトパスカル」を説明するときに、上でも説明したとおり、1Pa=1N/m2という式が必要ですが、この1つの式に、「パスカル」と「ニュートン」という、人物名に由来した単位が2つも入っています。また、これ以外にも、人物名に由来する単位はたくさんあります。たとえば、ワット、ヘルツ、ガウス、マッハなど、なじみ深いものも数多くあります。これから日本人が物理や化学で大きな発見をしたら、もしかしたら名前が単位として採用され、「1スズキ」や「10タナカ」と数えるものが出てくるかもしれませんね。