4月20日から始まる「穀雨」とは、穀物の成長を助ける恵みの雨のこと。『暦便覧』には、「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記され、春の雨が全ての穀物を潤すという意味合いがあるとされています。
そろそろ田畑の準備も整い、小麦の収穫や田植えの時期も迫ってくるころです。
湿度を帯び、けぶるように降る春の雨。さまざまな雨の名前がこの季節の風情を物語ります。
「甘雨(かんう)」は草木を潤す雨のこと。
「春霖(しゅんりん)」は春の長雨。菜の花が咲き競う頃降る長雨だから「菜種梅雨(なたねづゆ)」といわれたりもします。
「催花雨(さいかう)」は、桜をはじめ色々な春の花を咲かせる雨。
桜が盛大に散った後も、花水木、レンギョウ、サツキにツツジと、次々と競うように咲く花の開花をうながします。