かつては虫の一種?
昆虫とは、節足動物門に属する汎甲殻類六脚亜門昆虫綱(学名 Insecta)の総称で、わかりやすく言えば海老やカニなどと近縁で脚が六本、翅がある(退化したものもあり)節足動物の一種、ということです。
子供の頃、昆虫と蜘蛛とは別とか、蜘蛛やムカデは昆虫じゃないんだよ、なんて教えられた人も多いかと思います。虫なんかには興味ない、できれば姿も見たくない、と思ってる虫嫌いの人は、虫は虫でしょ、脚が何本とか体の構造とか区別自体意味がないじゃん、どーでもいい、というのが本音だったのでは。
大体「虫」というとき、昆虫以外の蜘蛛やムカデ、ダンゴムシなどの陸生の節足動物、それにナメクジやミミズ、ヒルなどの小型の環形動物も含めて使われることも普通にあるわけで、実際、蜘蛛もムカデもカブトムシもワラジムシも、「虫は虫」というのも正しいわけです。
そればかりか、かつては「虫」という字はもともと「蟲」と書き、トカゲやヘビなどの爬虫類、イモリやカエルなどの両生類、ネズミやコウモリ、モグラなどの小型の哺乳類までも「蟲」に含まれていました。その名残は「蛇」「蛙」「蜥蜴」「蝙蝠」などの漢字の虫偏に残っています。また、得体の知れない想像上の生き物や病気や災いも「蟲」とされ、こちらも腹の虫・疳の虫などという言いまわしに残っています。かつては「虹」も大きな虫の一種と考えられてきました。
ですが、それらの中でなぜ昆虫が「蟲」の代名詞となり、虫といったらなぜ昆虫、ということになっていったかと言ったら、節足動物の中でのみならず、全世界でもっとも数も種類も多く繁栄している生物が、昆虫だからに他なりません。何しろ世界の全動物種のうち、なんとその大半は昆虫であり、まだまだ知られていない昆虫も多いといわれているのです。