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Utsuke Bron

七十二候「虹始見(にじ はじめて あらわる)」。雨あがりに虹が現れだすころに、虹にまつわるQ&A

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七十二候「虹始見(にじ はじめて あらわる)」。雨あがりに虹が現れだすころに、虹にまつわるQ&A

大気がどんどん潤い、春の雨が多くなってきました。4月14日から19日までは七十二候・第十候「虹始見(にじ はじめて あらわる)」。春の天気はちょっぴり不安定ですが、その晴れ間には、彼方の空に虹がかかり始めます。虹は、太陽の光が空気中の水滴によって屈折、反射されるときに見えるもの。見ようとしても見られないものゆえに、天空に七色のアーチがかかると、誰もが立ち止まって空を見上げます。

虹は何色? いつ現れるの? 見るチャンスはいつ?

英語では、《雨の弓》を意味する「Rainbow(レインボー)」。フランス語では、「arc-en-ciel(アルカンシエル)」と呼ばれ、《空に掛かるアーチ》を意味する「虹」。

例えば、突然の雷雨の後の雨上がり。水しぶきをあげる滝のそば。太陽を背にして水まきをしたときなど、美しい虹を見た経験がある方も多いのではないでしょうか。

虹とは、太陽の光が空気中の水滴によって屈折・反射されるときに(水滴がプリズムの役割をするため)光が分解されて、複数色の帯として目に見えるもの。

雨が止んだ直後や、まだ雨が止んでいない時に日射があったとき、太陽のある方向と逆の方向を見てみましょう。もしかすると、きれいなアーチを描く虹を見つけることができるかもしれません。太陽高度が低い朝や夕方なら、さらに遭遇できる確率は高くなるそうです。

さて、七色とされる虹ですが、実際には何色なのでしょうか。
(洋の東西を問わず、古い時代は三色や四色とされていましたが)そもそも虹を七色と最初に言い出したのは、かの有名なニュートンです。
実はニュートン自身は、虹の色が無数に見えることを知っていたということですが、音楽と関係づけて「各色の帯の幅が音楽の音階の間の高さに対応している」というオクターブ理論と一致させたい意図から、紫、藍色、青、緑、黄、橙、赤の七色だと考えたのだそう。
なぜ音楽と結びつけたのかは疑問ですが、次に虹を見かけた折には、実際に自分の眼で何色見わけできるか数えてみたいものですね。

サークル状の丸い虹?飛行機の窓から見えた虹色の輪は?

以前ヨーロッパへ向かう飛行機に乗っていたときのこと。照明が落とされた機内の窓からほの暗い空を見下ろすと、真ん丸なサークル状の虹の輪が見えたことがあります。

キャビンアテンダントの間では幸運を招く吉兆だということですが、これは、いわゆる「ブロッケン現象」。搭乗機の影が雲の上に映ると、その影を取り囲んで丸い虹が出現するというものなのだそう。
(山の頂上などでもごくたまに、登山者が太陽を背にした自分の影の回りにできた虹色の輪を見ることがあり、「御来迎(ごらいごう)」と呼ばれています。)

中心にあるはずの機体の影はよく見えなかったけれど、虹色のリングのように見えた輪は、とっても神秘的。その後、幸運が訪れたかどうかはともかく、見ることができたことそのものが、とてもラッキーだったなと今も思い起こせる、素敵な旅の記憶です。

幸運を呼ぶという、月明かりに浮かび上がるムーンボウって?

「虹の州(Rainbow State)」とも呼ばれるハワイ。虹はハワイを象徴するアイコンで、例えばナンバープレートにも虹が描かれていますし、ハワイを訪れるとさまざまなシーンで虹を見かけることでしょう。

貿易風による雲のせいで通り雨が多く、その後はすぐ晴れるハワイは、虹に出逢える機会が多い夢の楽園です。
主虹(しゅにじ)の外側にくっきりと、副虹(ふくにじ)が見える、「ダブルレインボー」。この二重の虹をハワイで見ると、旅行者はまたハワイに戻って来ることができるという言い伝えもあると聞きます。

また、マウイ島のカパルア地区とマカワオ地区は、月明かりによってごくまれに現れる月虹「ムーンボウ(Moonbow)」が出現するスポット。仄かな月光に照らされ浮かび上がる夜の虹を、土地の人々はスピリチュアルな現象として厳粛に受け止め、見る者にとって「最高の祝福」とみなされるということです。
幻想的で美しい夜の虹…いつの日か、叶うことなら実際に見てみたいものですね。
かの詩人・堀口大學はハワイでこのムーンボウを体験したことから、第二詩集を「月かげの虹」と名付けたそうです。

「虹の花」と呼ばれる花の名は?

それは、(北米などで)ブルーフラッグとも呼ばれるアヤメ属の「アイリス」です。スウェーデンの植物学者リンネは、ギリシア神話の太陽の神ゼウスの妻ヘラの使者で、オリンポス山から虹の姿で地上へ現れる女神イリスにちなんで、この花にアイリスと名づけたのだそう。

「イリス iris」は、ギリシャ語で天国の目を意味し、眼球の虹彩と虹の両方の意味で使われるのだとか。使者イリスの飛ぶ速さを反映するように開花時期は短く、虹の色を思わせるように様々な花の色があるアイリスの花言葉は「伝言」です。

大空に壮大で美しい弧を描き、私たちを魅了する虹。
ごくたまに奇跡のように目の前に現れる虹は、私たちに希望のメッセージを伝えてくれる天からの贈り物なのかもしれません。

Somewhere over the rainbow
Skies are blue
And the dreams that you dare to dream
Really do come true
と、オズの魔法使いの主人公ドロシーが歌ったように、虹の彼方には青空が広がり、信じた夢が叶う…。

どんな時も、希望を胸に抱かせてくれる虹の姿を、また今年も見ることができますように…そんな思いがわきおこる「虹始見」のころとなりました。


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