タラバガニは5番目の脚が極端に小さいので、4組しかないように見える。
ある人は以前から、タラバガニはカニではなく、ヤドカリの仲間であることは知っていました。しかし、「タラバ」の意味が「タラの漁場(鱈場・たらば)」であるとは知らず、ずっと、脚がもう1組「あっ“たらば”」カニ、という意味で、「タラバガニ」だと信じていたそうでうす。「タラバ」という言葉を、そんな意味でとらえる人なんて、日本全国、この人だけだと思いますが…。
実際のタラバガニは、鱈場にいるとはいえ、エビやヒトデ、ゴカイ、死んだ魚などをエサとしています。大人になるまで10年。寿命はおよそ30年と、けっこうな長生きです。
プロレタリア文学の傑作「蟹工船」(小林多喜二著)では、大正時代、タラバガニの缶詰を船上で作るカニ漁の過酷さが描かれましたが、そのころはタラバガニも豊富に生息していたようです。しかし、乱獲により生息数が激減し、今では日本とロシアで協定が結ばれ、カニ漁は規制がなさかれています。