京都の「たぬきうどん」は刻んだ油揚げがのったあんかけ。
一般的に「たぬきうどん」というと、揚げ玉がのったうどんを指しますが、京都では、油揚げを2cmの幅の短冊状に切り、九条ネギとともにうどんの上にのせてあんかけにしたものを「たぬきうどん」といいます。
油揚げは「きつねうどん」のように甘辛く煮ず、味つけをしていないものを使います。さらに、あんかけうどんなので、トロッとしています。油揚げとネギとうどんがあんによって味がまとまり、三種類をいっしょに味わうことができます。
京都では、「きつね」については、甘辛い油揚げを「甘ぎつね」とよび、「たぬき」に用いられているような短冊状の油揚げを「きざみきつね」とよびます。「きつねうどん」というと、一般的には、味のない短冊状の油揚げがのったうどんを指し、それがあんかけになると、「たぬきうどん」となります。
つまり京都では、「きつねうどん」といえば、味のない短冊状の油揚げがのったうどんのことで、甘辛く煮た三角形の油揚げがのったうどんは「甘ぎつね」うどんといいます。そして、「たぬきうどん」といえば、「きつねうどん」をあんかけにしたものを指します。京都の「きつね」と「たぬき」は、油揚げの種類と、汁があんかけかどうかで違っているようです。