国立劇場の幕間
『仮名手本忠臣蔵』は、赤穂事件の討ち入り事件から約50年後に竹田出雲・三好松洛・並木千柳の三人により人形浄瑠璃(文楽)のために書かれ、寛延元年(1748年)8月、大坂竹本座にて初演された作品です。すぐに人気となり、間もなく歌舞伎上演にも移されました。
『仮名手本忠臣蔵』の「仮名手本」とは、赤穂四十七士をいろは四十七文字になぞらえたもの。江戸時代は、当時起こった事件をそのまま文芸や戯曲で取り上げることを幕府が禁じていたので、舞台設定が南北朝時代に置き換えられています。
12月に小劇場で上演される文楽公演は、午前10時半開演の第1部、午後4時半開演の第2部の構成。続けて観れば、一日で通し狂言として観劇することが可能です。終演は午後9時30分となり体力も問われますが、覚悟溢れる登場人物たちの思いをずっしりと受け止め、感動冷めやらぬ一日となることでしょう。