真っ黒なコンニャクイモ。直径30センチ以上になるものも
コンニャクイモからこんにゃくが作られていることはわりと知られていますが、そのお芋自体は食べられないのでしょうか? 見た目はサトイモっぽいし、ちょっとかじってみよう・・・そんな試みは、たいへんキケンです。
コンニャクイモは「あまりのエグさにネズミも寄りつかない」といわれているほど強いエグみをもち、かじれば半日くらい口の中がヒリヒリ痛くなるといいます。そのままでは茹でてもふかしても食べられません。
じつはコンニャクイモ、育てるのに3年くらいかかります。しかも寒さに弱く腐りやすいので、わざわざ冬に掘りかえして暖かい場所に保管しておき、春になったらまた植えるのだそうです。
そんなエグくて手のかかる芋を、さらに手間ひまかけてアク抜きするなんて。それをアルカリ物質でプリプリに固めてみたら、なんと美味しくなってしまったなんて! こんにゃく化を思いついた昔の人は、本当にすごいですよね。
一年中食べられているこんにゃくですが、もともとの旬は秋。昔は生の芋をすりつぶして作っていたので、芋の収穫できる秋にしか食べられなかったのです。こんにゃくは、お供え物や貴族たち限定のセレブな食べ物でした。
江戸時代になると、芋を乾燥させて製粉した粉からこんにゃくを作れるようになり、庶民も一年中食べられるようになったのですね。
こんにゃくの原産地はインドシナのあたりといわれていますが、現在なんといってもこんにゃくをいちばん食べているのは、私たち日本人です!