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ご存知の方も多いかと思いますが、中国でLINEに相当するメッセンジャーサービスにWeChatというものがあります。
アイコンも↑のようにLINEと同じ緑を基調としたものです。このWeChatを提供している会社は、テンセント(Tencent)で、中国の3大ネット企業の一部です。中国の3大ネット企業は「BAT」と呼ばれ、
・検索のBaidu
・ECのAlibaba
・メッセンジャーのTencent
から成ります。
元々、テンセントは、QQというPCのメッセンジャーで有名な企業でした。
日本で言うところのHotmailやヤフーメッセンジャーのようなものだと思ってもらえればよいかと思います。QQは今でも健在ですが、近年のスマホ化の波に乗ったのが、スマホ版のメッセンジャーのWeChatという具合です。
今日は、テンセントがLINEと比べてどのくらい巨大なのかを見てみたいと思います。
まずはLINEのMAUを見てみます。
グラフから読める通りですが、1.57億人でYoY +21%です。
次に、WeChatですが、
For Weixin and WeChat together, MAU reached 806 million, representing YoY growth of 34%.
とありますので、MAUが8.06億人でYoY +34%です。
MAUベースでLINEの5.13倍大きい計算になります。
テンセントの方は、デスクトップ(PC版)のQQの売上も混ざっているので、単純比較は危険かもしれませんが、テンセントは決算開示がイケてないので、モバイル部分だけを切り出すことができないため、単純比較します。
ご覧いただければ分かる通り、テンセントは四半期あたり5354億円の売上、2149億円の営業利益(40.15%)もあり、売上ベースでLINEの15倍以上、営業利益では26倍以上も大きい会社です。
とてつもないバケモノに見えますが、一体何が凄いのか、WeChatのここが凄いを4つ書いてみたいと思います。
LINEも同じですが、WeChatでのゲームが売上の半分以上を占めます。特に、
For smart phone games, we achieved approximately RMB9.6 billion revenue in 2Q2016, representing 114% YoY revenue growth, with increased contributions from our major PvP titles, as well as new RPG titles.
とあるように、スマホでのゲームは9.6B RMB(1440億円)をも稼ぐ上に、未だにYoY +114%と倍増しています。代表的なタイトルは、“Honor of Kings”です。
広告はFacebookやLINEのタイムラインに出てくる広告とほぼ同じ形です。
この広告売上が四半期で980億円もあり、YoY +60%も伸びているというのは驚異的です。
セグメント詳細は開示されていませんが、Q&Aで「モバイルペイメントが3倍以上に成長した」とのコメントがありました。
LINE Payのように、スマホで簡単に決済・送金が出来るサービスが提供されています。具体的には、タクシーの支払いや映画館でのチケット購入など、かなりオフラインでの決済にも使えます。このペイメントは外部アプリにも提供されており、WeChatアプリ外からも支払いに使えるようになっています。
先日発表があった通り、ソフトバンクよりスーパーセルを買収しました。
これによって、世界最強のゲーム会社が作ったゲームを、世界最大級のメッセンジャープラットフォームで配信する訳です。
WeChatは8.06億人のMAU、QQもモバイルだけで6.67億人のMAUがいるので、この巨大なユーザーベースに対して、スーパーセルのゲームが露出されていくのは楽しみでしかありません。これらのゲームは、中国では比較的露出が多くなかったかと思いますので、売上インパクトが期待できると思います。