硬いけど「粘り」があるクルミの床。
ヒバやヒノキ、スギなどの針葉樹のフローリングはやわらかくて傷つきやすいのですが、冬でもぬくもりを感じるほどの温かみを感じることができます。一方、チークやサクラ、ナラなどの広葉樹は硬くて丈夫ですが、冷たくて、座ると痛い感じがします。
しかし、同じ広葉樹でもクルミは、材質が硬いは硬いのですが、微妙な「たわみ」と「粘り」があり、足に跳ね返る床の反発力が心地いい床材です。木質は緻密で、なおかつ非常に美しい木目をしています。フローリングの専門家も、家を建てるなら床はクルミで、と思うほどの材質です。
クルミは英語でいうと「ウォールナット」。チークやマホガニーと並び、世界三大銘木の一つに数えられています。1600年代の半ばころからヨーロッパで大人気となり、高級家具や工芸品などに使われていました。また、衝撃に強く、狂いや割れが少ないので、ライフルの銃床にも使われています。
クルミというと木の実の「胡桃」を想像しがちですが、実は木材としても魅力のある木だったとは意外ですね。