小林一三の胸像
小林一三(1873~1957)は、阪急電鉄や阪急百貨店、そして宝塚歌劇団の創設者として著名な実業家です。2014年の宝塚百周年に続き、2015年のNHKドラマ「『経世済民の男』小林一三」が放映後も話題となり、再び静かな注目が集まっているようですね。
電鉄といえば、私鉄沿線の田園都市計画や住宅開発、郊外のレジャーランド建設、駅に直結するターミナルデパートは、みな東京発祥だとお考えではないでしょうか?実は、これらは全て小林一三が構想を描き、日本では、阪急沿線で初めて着手された事業です。ターミナルデパート業態に至っては、世界初でした。阪急の事業は乗客を誘致するのではなく、創り出すという発想から始まったのです。
小林一三が目指したのは、大衆文化の創造です。彼は、大衆が主人公となる社会を実現するための事業を、次々と打ち出しました。その代表例のひとつが、宝塚歌劇団。沿線に住む女性や家族連れでも楽しめるエンタテインメントとしてつくられた、女性だけの稀有な劇団は、現在年間200万人の観客動員数を誇ります。