盆栽の歴史は大変古く、平安時代に中国(唐)で行われていた「盆景(盆の上に砂や石、草木を配した箱庭)」が入ってきたのが始まりといわれています。
その後、武士や文人の趣味として広まった盆栽は、江戸時代になると一般庶民にも普及し、浮世絵のモチーフにも登場するようになります。
近代に入り、盆栽は粋なステイタスシンボルとして、政財界人を中心に愛好者が広まりました。一方で、文化人の間で「盆栽は芸術」とするムーブメントが巻き起こり、これを機に1934年、日本最大の盆栽展「国風盆栽展」が東京都美術館でスタート。盆栽は「園芸趣味」の枠を超え「造形芸術」としての地位を築きました。
そうした中、盆栽が海外で注目されるきっかけとなったのが、1964年の東京五輪・1970年の大阪万博で開催された盆栽展です。
以来、盆栽は東洋的なアートとして海外でも受け入れられ、1990年代以降は、世界共通で「BONSAI」と呼ばれるグローバルな存在に。近年は、日本屈指の盆栽郷である埼玉県大宮盆栽村が「BONSAIのメッカ」として注目を浴び、海外からも多くの愛好家や観光客が訪れているそうです。
いまや日本伝統の盆栽文化は、国境を超えた「世界のBONSAI文化」として年々広まりを見せています。