山にかかる雲は観天望気(かんてんぼうき)の良い指標になります。
観天望気とは、雲や風など大気の状態を観測して天気を予測することです。
きょう(8日:土曜)の昼頃に、富士山に「笠雲」がかかりました。
写真は山梨県河口湖町で撮影したものです。「笠雲」は山の上に傘をかぶったような形で発生する雲です。
「富士山が笠をかぶれば近いうちに雨」という天気俚諺(天気のことわざ)があります。
多くの天気俚諺の中でも、この言い伝えは最高の的中率を誇っています。
季節によって的中率がやや変わりますが、秋(まさにいま)と春が一番的中率が高く78%。夏は75%、冬は70%といわれています。
富士山には周囲に高い山がないため、山越えの気流によって様々な笠雲ができます。
笠雲は富士山の山頂で静かに止まっているように見えますが、
実は笠雲が発生している時の上層の風は強く、雲が発生したり消えたりを繰り返しています。
水蒸気を多く含んだ強い風が富士山の山肌に沿うようにして上昇気流が起き、山頂で雲が発生。
一方、風下側の斜面では下降気流となって雲の粒が消えていく・・・。
このように発生と消失を絶え間なく繰り返していることで、まるで静止しているかのように見えるのです。