梅雨の湿気を帯びた大地に、強い陽射しが照りつけるころ。暑気が土中の水分を蒸発させ、草むらからはむっとするような夏の匂いがたちこめてきます…
今年も七十二候の第三十五候「土潤溽暑~つち うるおうてむしあつし~」が巡ってきました。
「溽暑(じょくしょ)」とは何ぞやと辞書を紐解いてみれば、湿気の多い暑さ。蒸し暑いこと。
「溽熱(じょくねつ)」とは、蒸し暑さのことをいいます。
このところ、じっとしていても、じんわりと汗がにじんでくるような暑さです。梅雨明けが遅れ気温が比較的低い関東地方でも、少し動けば高い湿度に汗が出て、その汗が体をひやりと冷やします。また、薄曇りで風もなく、じりじりと日が照って暑いことを「油照り(あぶらてり)」といい、体の内も外も暑気と湿邪で満ち、不快指数が増していきます。からりと晴れわたった炎天より、曇天の日のじめっとした空気の重さがまとわりつくような蒸し暑さが、なんだか体にはこたえるものですね。
さて、低めの気温が続いた関東地方も、そろそろ暑さがぶり返してくるとか。連日30度以上の真夏日が予想されていますので、どうぞ急激に増す暑さにお気をつけください。