昼間暑いと思っていたのに、夜は急に冷えこんだりする寒暖の差に、「ああ秋が深まってきたんだな」と、実感できる今日このごろ。
暦の上では、二十四節気「寒露(かんろ)」を迎え、仲秋から晩秋となりました。
この「寒露」。暦便覧によれば、「陰寒の気におうて、露むすび凝らんとすればなり」とあり、朝降りている露が冷たく感じられるころ。陰の気がますます増し、次第に寒くなってきます。
「朝露が降りると晴れ」は、秋の天気を表したことわざの一つ。朝、草や樹木の葉に露が降りるのは秋が最も多いといわれ、昼間によく晴れて、夜間の冷え込みが強いときほど、多くの朝露が見られるとのこと。けれども朝日に輝く朝露は、青空が広がり気温が上昇するとたちまち、はかなく消えてしまうことから、情趣ある歌の題材となってきました。
わが背子を 大和へ遣ると さ夜更けて 暁露にわが立ち濡れし ~大伯 皇女~