ウリ科ツルレイシ属の植物であるゴーヤー。原産地は、インドやバングラデシュ、インドネシアなどの熱帯アジアです。
果物のレイシ(ライチー)に似たいぼいぼのある実、つる植物であることから「ツルレイシ」の呼び名がつきました。
おなじみの「ゴーヤー」の名前は、「苦瓜」の中国語音(クーグァー)が転訛したという説など、諸説あるようです。
そんなゴーヤーが日本へ伝来したのは、15~16世紀ごろのこと。
17世紀の書物「多識篇」に、「豆留礼伊志(つるれいし)」に関する記述がみられます。
本州では食べる文化はあまり定着せず、もっぱら日除けや観賞用とされたのだとか。
現代でも「緑のカーテン」としてゴーヤーがよく利用されていますね。
海上貿易が盛んだった琉球(沖縄)には、それよりも早くゴーヤーが伝わり、独自のゴーヤー食文化が発達しました。また、九州の各地でも盛んに栽培されました。
その秘密は、ゴーヤーが「高温多湿」や「乾燥」に強いこと。
気候が暑く、夏に収穫できる野菜が少ない地域で、ゴーヤーは貴重な夏野菜として大切にされたのです。
ウリの仲間には「身体の熱をとる」作用があるため、夏バテ対策としてもゴーヤーが歓迎されました。