朝から夕暮れまで、ときに騒々しいまでの蟬時雨に包まれる今日このごろ。梅雨明けから晩夏まで、北海道から沖縄諸島まで、夏の歌い手として私たちを楽しませてくれる蟬たちの合唱が響き合います。
「ジー」と鳴くのはニイニイゼミ、「ジー、ギリギリ、ジー」はアブラゼミ、「ミーン、ミンミン、ミーン」はミンミンゼミ、「シャーシャーシャー」はクマゼミ、「ギーギー」と鳴く声はエゾゼミ。
そして早朝や夕方の薄暗い山で「カナカナカナ」とひときわ澄んだ声を響き渡らせるのはヒグラシ。夏の終わりに「ツクツクオーシ、ツクツクオーシ」と鳴き出すのが、ツクツクボウシ。
なんと国内に30種以上も生息するという蟬は、まさに日本の夏を盛り上げる合唱隊。耳を澄まして、あの声はアブラゼミ、あの歌はクマゼミと聞き分けてみるのも、夏ならではのちょっとした楽しみかもしれません。時間帯や生息場所によって、いろんな歌が聞こえることでしょう。