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はしか を知っておくべき5つのこと

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はしか を知っておくべき5つのこと





肺炎や脳炎などを起こして、命の危険もある「はしか」(麻疹)の患者の報告が急増しています。ワクチンを接種していないなど免疫がなければ、感染した人と同じ空間にいるだけでうつってしまう「はしか」。今年に入ってからの感染者は、これまでに60人近くと多くの人が移動した夏休みに空港やコンサート会場などを中心に感染が広がっています。関西空港では、これまでに従業員26人が「はしか」と診断されたほか、千葉市の幕張メッセで開かれたコンサートや東京・立川市で行われたアニメ関係のイベントに「はしか」の患者が参加していたことが分かり、感染の広がりが懸念されています。「はしか」とは、どういう病気なのか。感染を防ぐために、私たちはどうしたらいいのでしょうか。

1 そもそも、どんな病気?

「はしか」は、ウイルスによって引き起こされる感染症で、「麻疹(ましん)」とも呼ばれます。
まず、発熱や咳、鼻水などの軽いかぜのような症状がみられたあと、39度以上の高熱が出て、顔や体に発疹が現れます。患者の3割が、合併症を起こすとされ、多いのは肺炎や中耳炎です。また1000人に1人が脳炎を起こすとされ、後遺症が残り、死に至ることもあります。また、10万人に1人くらいというまれなケースですが、感染後、数年から10年ほど経って、亜急性硬化性全脳炎=SSPEと呼ばれる脳炎を発症し、知的障害や運動障害が進行していくことも報告されています。

「はしか」の最大の特徴は、他の感染症に比べて、感染力が非常に強いことです。空気感染するので、免疫がなければ、職場や電車の中などの同じ空間にいるだけで、感染することがあります。免疫がない人たちの中に、1人の「はしか」の患者がいたとすると、12人から14人の人が感染するともいわれ、1人から2人に感染する通常のインフルエンザと比べても、感染力の強さは突出しています。
「はしか」は、一度発生すると、あっという間に広がり、昔は、なすすべもないまま死に至ることが多かったため、江戸時代には、生死を分けるほどの重い病気として「はしか」を「命定め」と呼んだということです。

2 はしかにかかりやすい人はどんな人?

「はしか」に治療薬はありませんが、非常に有効な予防策があります。ワクチンの接種です。「はしか」のワクチンは、昭和53年から定期接種となり、1歳から6歳までの子どもを対象に接種が勧められました(平成7年4月から17年度までは7歳半まで)。
戦後も、大きな流行を繰り返していた「はしか」ですが、この定期接種の導入で、減っていったのです。ところが、9年前の平成19年には、「はしか」が、ワクチンを接種したはずの若者の間で大流行しました。大学などで感染が広がり、休講が相次いだことを、覚えている人もいると思います。
せっかく機会があったのに、ワクチンを接種していない人がいたほか、1回だけの接種の期間が平成18年3月まで続き、免疫が時の経過とともに弱くなっていたからだと言われています。
実はこうした問題は、以前から指摘され、国は若者の大流行が起きる前の年の平成18年4月から、「はしか」のワクチンを風疹との混合ワクチン=MRワクチンに切り替え、確実に免疫をつけるため、1歳と小学校入学前に2回、接種が行うようにしました。
また、若者の間での大流行を受けて、平成20年から5年間は、中学1年生と高校3年生を対象に、MRワクチンの接種を行うなどの対策を取りました。
平成2年4月2日以降に生まれた人、つまり今の26歳より若い人は、これまでに2回、ワクチンを接種する機会があり、きちんと接種していれば、「はしか」にかかる危険性は、かなり低いと言えます。
一方、それより前に生まれた、今の26歳から39歳の人は、ワクチンを接種する機会が1回だけでした。子どものころワクチンを打っていても、免疫が低下している可能性があり、「はしか」に最もかかりやすい年代と言えます。
さらにそれより上の年代ですが、この年代の人たちは、ワクチンを接種する機会がなく、多くの人は「はしか」に自然に感染しています。「はしか」に一度かかったことがある人は、通常、生涯免疫があります。「自分は子どものころ、『はしか』にかかったから大丈夫」と思っていても、昔は、症状だけで、「はしか」と診断していたため、風疹や、りんご病など、発疹が出る他の病気と間違えている可能性もありますので、注意が必要です。
もし、「はしか」にかかったかどうかがわからず、2回の予防接種を受けていない人は、近くの医療機関にMRワクチンの在庫があるかを確認して接種することもできます。保険がきかないため、費用は医療機関によって異なりますが、8000円から1万円くらいです。

3 なぜ今ひろがっているのか?

実は日本の「はしか」は、去年3月、WHOから「排除状態」と認定されました。日本の土着のウイルスによる感染が3年以上押さえ込まれていたからです。
ではなぜいま、「はしか」の患者が急に増えてきたのでしょうか。
厚生労働省によりますと、関西空港の従業員もふくめ、7月の終わりに関西空港を利用した人から検出されたウイルスは、H1と呼ばれる、中国やモンゴルで流行している型だということです。
また、7月から8月にかけて、千葉県松戸市を中心に10人ほどの患者が報告されていますが、検出されたウイルスはD8という、東南アジアや南アジアなどで流行している型です。アジアやアフリカなど、世界にはまだ「はしか」が流行している国がたくさんあり、国内にも持ち込まれているのです。
日本で排除状態になっていても油断はできません。免疫が低い人が海外に行き感染して帰国したり、外国から来た人が持ちこんできたりする危険性は常にあり、免疫がない人が多いと、流行のおそれはなくならないのです。
専門家は、今後は海外で流行する遺伝子タイプのウイルスが日本に定着し、土着のウイルスとなってしまうことを懸念しています。

4 患者がいた場所にいた人はどうしたらいいの?

関西空港や幕張メッセでのコンサート、アニメ関係のイベントなど、「はしか」の患者がいた場所が、次々に公表されています。
「はしか」は、発疹が出る5日ほど前から5日後くらいまで、周りに感染させるおそれがあり、感染後は10日から12日間の潜伏期間を経て発症します。
もし、「はしか」の患者と接触した場合は、厚生労働省によりますと、72時間以内であれば、ワクチンを接種すると、発症を予防できる可能性があるということです。
そして、もし、熱や咳、鼻水などのかぜのような症状が出て、「はしか」の患者との接触が否定できない場合は、要注意です。不用意に医療機関を受診すると、移動の際にさらに感染を広げるおそれがあるからです。
事前に医療機関に電話で連絡をして、「はしか」の患者と接触したことを伝え、指示に従って受診するようにしてください。

5 私たちにできることは?

今年に入ってから先月24日までに報告された、「はしか」の患者32人のうち9割近くがワクチンを接種したことがないか、接種したかどうか分からない人たちです。なかには、MRワクチンの接種の対象となる1歳より前に感染してしまった赤ちゃんもいます。沖縄では、平成11年から13年の間に、2度の流行があり、その際に0歳児を含む9人の幼い子どもが亡くなりました。
生後10か月で「はしか」にかかり、重い肺炎を起こして、その後、日常生活で酸素の吸入が必要になった子どももいます。
そうした麻疹のワクチンを打つ前の赤ちゃんや、病気などで免疫力が低下した人たちを守るためにも、1人でも多くの人がワクチンを接種して、感染を広げない対策が重要です。特に海外に行く人は、「はしか」にかかったことがなく、ワクチンを接種していない、または接種したかどうか分からない人は、渡航前にワクチンの接種を忘れないでほしいと専門家は呼びかけています。
平成19年に若者の間で「はしか」が流行した際に、脳炎を起こした20代の男性を取材したことがありますが、男性は何か月も意識が戻らず、取材時は両足に後遺症が残って、懸命にリハビリに取り組んでいました。「ワクチンさえ打っていれば問題ないのに、ただそれだけのことをしなかったということで、これだけの被害が起こるというのは、非常に恐ろしい」と話した男性の姿を見て、私は、「はしか」の怖さを思い知りました。
「はしか」が、これ以上広がらないために、一人一人の行動が重要になっています。

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